2007-06-01から1ヶ月間の記事一覧

三浦義陳の外出1

勤番武士の外出は規制されていたが、 では実際に外出した際にはどのような行動をとっていたのか。 寛延3年の宇和島藩士三浦義陳の例をざっと紹介する。 今回は4月と5月の外出について。 4月14日 明番。 午前11時頃から外出。 同道した藩士は、井関作…

勤番武士の外出規制

宇和島藩士三浦義陳の寛延3年の江戸での仕事ぶりを以前紹介したが、 その間に宇和島藩主村候と佐賀藩鍋嶋家のお姫様護姫との 婚礼があったこともあり、 かなり多忙な日々を送っていたことが明らかになった。 では、宇和島藩邸から外出する機会はどの程度あ…

絵の楽しみ方

子どもの時分、絵草紙や錦画が好きだった内藤鳴雪。 絵には見る以外の楽しみ方があったことも書き記している。 私は絵を見て楽しむ外に、 またその画を模写することが好きだった。 小学校で図画を教える今時と違って、 当時は大人でも大抵はどんな簡単な物の…

大量入荷

大村彦次郎 時代小説盛衰史 中野三敏 写楽―江戸人としての実像 (中公新書)読了。 今日は仕事で松山へ。 仕事が終わってから図書館へ寄り、 借りていた本を返し、以下の本を借り出す。 中野三敏 江戸狂者傳 江戸狂者傳作者: 中野三敏出版社/メーカー: 中央公…

おんな子どもの…

三浦家が土産として用いた錦絵や草双紙は、 父が江戸常府の松山藩士であった俳人内藤鳴雪の鳴雪自叙伝 (岩波文庫)にも登場する。 鳴雪のこの記述により、武士の家族のうち どのような層がこれらを喜んで受け入れていたのかが分かる。 私は子供の時一番楽しみ…

本の虫

中野三敏 江戸文化評判記―雅俗融和の世界 (中公新書) 読了。 とにかくおもしろかった。 伝統文化の雅と新興文化の俗の両面から 江戸時代の捉え方を説いた「巻ノ一 江戸的文化」は無論おもしろかったが、 どちらかというと余談めいた「巻ノ六和本礼賛」の本の…

帯の土産

お土産にしつこくこだわると、 手紙に出てくる帯にしても、 妻の久美から古いものを江戸紫に染め直すようにオーダーが出ていた模様。 江戸紫は江戸時代に流行した色の一つで、 歌舞伎の「助六」が締めている鉢巻きの色としても知られる。 紫は高貴な身分を表…

三枚雪駄の土産

江戸勤番武士も読んだ草双紙。 ちょうど読みかけていた 中野三敏 江戸文化評判記―雅俗融和の世界 (中公新書)に、 『甲子夜話』の著者として知られる平戸藩主松浦静山も 草双紙を集めていたという記述が見つかった。 部屋住み時代からの趣味らしく、 「此主伊…

草双紙の土産

前回は江戸からの土産として錦絵を取り上げたが、 他にも江戸らしい土産の話しが書かれた手紙が宇和島藩士三浦家文書の中にある。 文政5年10月5日付の江戸詰め中の7代当主義信が、 宇和島で留守宅を守る妻久美に宛てて出した手紙である。 その一部を下…

錦絵の土産

普段、家では朝日新聞をとっているが、 今日新聞受けを開けてみると、間違って日本経済新聞が入っていた。 現在の日本経済への関心が皆無なので、悲しいことに、 折角新聞があっても読むところがほとんどないのだが、 文化面はさすが充実していて読み応えが…

三浦義信の馬術

義信が馬術に優れていたことを物語る資料として、 文政6年2月22日付の宇和島で留守を預かる妻の久美から、 江戸の義信に宛てた手紙がある。 この手紙は正月17日に出された義信の手紙を受け取って書かれたもので、 義信の手紙には御供中に起こった火事…

お供のスキル

前回まで 宇和島藩主伊達藩主村候と佐賀藩鍋嶋家の護姫の結婚前後の 三浦義陳の仕事振りを見てみたが、 この時期の義陳は通常の仕事以外にも、 いろいろな家に使者に出たり、 村候の御供をしたりと、 かなり多忙な日々を過ごしていたことが分かる。 別に江戸…

三浦義陳の江戸暮らし11

寛延3年12月11日のつづき。 宇和島藩主村候は、午前11時頃に御供を連れて、 護姫の兄、佐賀藩主鍋島宗教のもとを訪問する。 騎馬供1人、御供頭1人、御膳番4人、 表方は義陳も含め2人、御駕籠役3人、 それ以外に御歩行衆はいつも通りの人数での外…