2012-05-01から1ヶ月間の記事一覧

越智の随筆「ねさめのよまい」5

越智は最後に、当時最も怖れられていた病気の一つであった天然痘の予防接種、種痘のことを取り上げている。 近来、西洋から牛痘種法が伝わった。かねがねこの良法を知った人が速やかにその種子(痘苗)を得て、多くの子どもたちに植えた。このことは日本人に…

越智の随筆「ねさめのよまい」4

蘭方医学の優位性を認識した越智は、幕末の医療の現状について次のように嘆いている。 しかし、ここに疑いが生じる。近来は諸国に蘭学による医療が開かれつつある。ただ、江戸の幕府医官や京都の医官は少しも蘭方による医療を用いようとしない。これらの人物…

越智の随筆「ねさめのよまい」3

ここで、越智の筆は、漢方と蘭方との二つの医術の比較論へと及ぶ。 人の体のことがこれだけはっきりと分かっているのならば、治療の方法もしっかりとしたものがあるだろうと昌山に尋ねてみると、内科選(撰)要という書物がある。もしあなたが医術を志すなら…

いつものとおり

休日。ある講演会を聴くために松山に。 まずはいつものとおりジュンク堂へ。新潮選書の新刊おもしろそう。でも分厚すぎて今買っても読めないな、などいろいろチェックするのみ。読んでいない本が家にたくさんあるだけに、今回は買い控える。 そしてこちらも…

越智の随筆「ねさめのよまい」2

越智の随筆「ねさめのよまい」には、自らの医学修行の様子を記している部分がある。その部分を意訳すると、次のようになる。 私が17,8歳の時から医学を目指すようになり、傷寒論、または香川の諸書、古方家の書物などを読んだ。20歳になり江戸の幕府医…

越智粔「ねさめのよまい」1

幕末から明治にかけての郡中(愛媛県伊予市)出身の蘭方医越智■(山に松)の随筆が翻刻されていると教わり調べてみる。それは「ねさめのよまい」というタイトルで、国会図書館蔵。土井康弘氏が「京都の蘭方医、越智■が記した随筆『ねさめのよまい』の翻刻」…

空いてる所、混んでる所

関西旅行に出かけていた家族を迎えに松山まで出る。その前にまず図書館に本を返しに行く。駐車場は図書館と美術館兼用。連休中なのでいっぱいなのではとのぞいてみると、意外なほど空いている。美術館あまり人が入ってないのかしら。図書館もいつもより人が…