職場が変わり、ブログを書く気持ちになれないまま、いつの間にか2年が過ぎていた。今年の4月、元の職場に戻ったものの、今度は立場が変わってしまい、相変わらず余裕のない生活を送っている。余裕のなさは、読書量にあらわれている。昔はあれだけ読んでいたのに、今は月1冊読むのがやっとこさ。図書館で5冊借り出しても、読まないまま返すのもざら。老眼で目がすぐ疲れるというのもあるのかな。
でもブログのパスワード久しぶりに見つけたので、2017年に読んだ本を記録しておく。

松陰の本棚

幻の料亭・日本橋「百川」

幻の料亭・日本橋「百川」: 黒船を饗した江戸料理

幻の料亭・日本橋「百川」: 黒船を饗した江戸料理

幕末大名夫人の知的好奇心

幕末大名夫人の知的好奇心―日向国延岡藩内藤充真院

幕末大名夫人の知的好奇心―日向国延岡藩内藤充真院

ニセモノ図鑑

石田三成

石田三成伝

石田三成伝

東京田園モダン

東京田園モダン

東京田園モダン

暗い時代の人々

暗い時代の人々

暗い時代の人々

町を歩いて本の中へ

アルカイダから古文書を守った図書館員

アルカイダから古文書を守った図書館員

アルカイダから古文書を守った図書館員

岩佐又兵衛松平忠直

岩佐又兵衛と松平忠直――パトロンから迫る又兵衛絵巻の謎 (岩波現代全書)

岩佐又兵衛と松平忠直――パトロンから迫る又兵衛絵巻の謎 (岩波現代全書)

一茶の相続争い

合計で11冊。月1冊も読んでいないなんて、われながらびっくり。メモを見ると、昨年読んだのが22冊なので半減している。これまでは電車通勤だったのが、自動車通勤しているのもあるかも。読書する時間が全く足りない。

今年読んだもの

いつの間にやら年末。慣れない仕事で悪戦苦闘の一年だった。おそらくこの状況は少なくともあと一年は続く。

とりあえず今年が終わるので、最近読んだ本だけメモしておく。借りた本を忘れないように記録だけはしていたが、5冊借りても実際読むことができたのは1〜2冊ってとこか。

奇想の発見: ある美術史家の回想

奇想の発見: ある美術史家の回想

エノケンと菊谷栄

エノケンと菊谷栄

山崎豊子先生の素顔

山崎豊子先生の素顔

成瀬巳喜男 映画の面影 (新潮選書)

成瀬巳喜男 映画の面影 (新潮選書)

洛中洛外図・舟木本を読む (角川選書)

洛中洛外図・舟木本を読む (角川選書)

もう少しあったかもしれないが、仕事ともども低調。若い頃の読書と違って、冊数は少なくてもいい。来年も限られた時間のなかで、自分がおもしろいと思えるものだけを、ぽつりぽつりと読んでいこう。

相変わらず

月〜金はまじめに勤務。いろいろな仕事が立て込んでいて、夏休みをとる日がなかなか見つからない。土、日だけはきっちり休み、精神の安定をはかるのみ。いつものように図書館で借りた本が分からなくならないようにメモ。

河内将芳 祇園祭と戦国京都

祗園祭と戦国京都 (角川叢書)

祗園祭と戦国京都 (角川叢書)

久世朋子 テコちゃんの時間

テコちゃんの時間?久世光彦との日々

テコちゃんの時間?久世光彦との日々

織田作之助の大阪

織田作之助の大阪 (コロナ・ブックス)

織田作之助の大阪 (コロナ・ブックス)

藤倉利恵子編 野村胡堂からの手紙

一少年との十九年の交流 野村胡堂からの手紙 (文藝春秋企画出版)

一少年との十九年の交流 野村胡堂からの手紙 (文藝春秋企画出版)

黒岩比佐子 日露戦争 勝利のあとの誤算

日露戦争 ―勝利のあとの誤算      文春新書

日露戦争 ―勝利のあとの誤算 文春新書

夏目房之助 孫が読む漱石

孫が読む漱石

孫が読む漱石

松浦玲 幕末・京大坂 歴史の旅

幕末・京大坂 歴史の旅 (朝日選書)

幕末・京大坂 歴史の旅 (朝日選書)


プラス資料本2冊。前回は大量に借用して、延滞したが、2冊しか読めなかった。今回は少なめに思っていたのに、それ以上の9冊。そんなに読めるわけないだろと、ただつぶやく。

休日なのか

昨日は休みなのに、出勤するはめに。今の部署に移って、できるだけ職場にいる時間を減らして、自分の時間をつくろうと思っていたのに、仕事の全体量が多すぎ。いやいや働く。

今日は遅めの起床。今度は家で前の部署に関係した書類づくり。これは休日なのか。夕方、重くなった頭をかるくするために散髪。そのまま図書館に流れて、7冊借り出す。

坪内祐三 続酒中日記

続・酒中日記

続・酒中日記

目黒考二 笹塚日記 ご隠居篇
笹塚日記 ご隠居篇

笹塚日記 ご隠居篇

大村彦次郎 荷風 百けん 夏彦がいた
荷風 百けん 夏彦がいた 昭和文人あの日この日

荷風 百けん 夏彦がいた 昭和文人あの日この日

内藤高 明治の音
岩下哲典 予告されていたペリー来航と幕末情報戦争
予告されていたペリー来航と幕末情報戦争 (新書y)

予告されていたペリー来航と幕末情報戦争 (新書y)

岡村敬二 京大東洋学者小島祐馬の生涯
京大東洋学者 小島祐馬の生涯 (臨川選書)

京大東洋学者 小島祐馬の生涯 (臨川選書)

貴田庄 志賀直哉、映画に行く


こんなに読めるわけもなし。ただ、心が飢えているのだろう。

借り歩く

昨日、鑑定団のテレビみてたら、西条藩初代藩主松平頼純愛用の鋏が登場。古い包紙には「源性院様御爪切 弐本」とあり、残念ながら2行目が画像が小さく読めない。将軍家→紀州徳川家西条藩松平家と伝来した駿府御分物の一つか。400万の値段がついたが、他にないだけにこれぐらいするかもねと思う。すごいものが巷にはあるもんだ。

今日は、借りていた本を図書館に返して廻る。そして、もちろん新しく借り出す。最近は行き帰りの電車での読書がほとんどで、夜は酒飲んで、すぐに寝てしまう。大量に借りても、もう読めない。それでも以下の5冊を借りる。

中野明 幻の五大美術館と明治実業家たち

東京大学史料編纂所編 描かれた倭寇

都市歴史遊覧

都市歴史博覧―都市文化のなりたち・しくみ・たのしみ

都市歴史博覧―都市文化のなりたち・しくみ・たのしみ


武田和昭 四国辺路の形成過程

四国辺路の形成過程

四国辺路の形成過程

田辺聖子 道頓堀の雨に別れて以来なり 上

最後に、ジュンク堂に寄って、雑誌コーナーへ。あるブログで紹介されていた芸術新潮を立ち読みするつもりが、あまりに面白そうなので、購入して手元に置くことに。

芸術新潮 2015年 06 月号 [雑誌]

芸術新潮 2015年 06 月号 [雑誌]

現在、「大関ヶ原展」が東京、京都で開催されて大人気だが、それにちなんで企画されたもの。関ヶ原合戦図屏風(津軽本)大阪歴史博物館蔵と大阪夏の陣図屏風 大阪城天守閣について、折り込み図や拡大写真がふんだんに使われている。それに詳細な解説。なんてお買い得。混雑する会場で見るより、こっちの方がいいかも(でも、行けるなら行きたいなあ)。

描かれた戦国の京都

京都文化博物館で展覧会「京を描く−洛中洛外図の時代−」を見てから、洛中洛外図の時代的な変遷を大まかにつかみたいと思って読書。

描かれた戦国の京都―洛中洛外図屏風を読む

描かれた戦国の京都―洛中洛外図屏風を読む

本書は、吉川弘文館の「歴史文化ライブラリー」の1冊として依頼されたものとのこと。図版が多く掲載されているため、図版を大きく見せるためにA5判の単行本に体裁を変えたそうだが、一般向けにわかりやすく書いたということなので、とっかかりとしてはぴったり。

洛中洛外図は、江戸時代前期のものを中心に100点余り現存するとされているが、今回は景観が室町時代まで遡るものが取り上げられている。ちなみに京都文化博物館の図録では、洛中洛外図屏風一覧として、168点のリストが掲載されている。毎年のように新たな洛中洛外図が発見されて、現在はこれくらいの数は確認されているのだろう。このリストだけでも、この図録は買う価値あり。

それはさておき、本書で取り上げられている屏風は、著者が考えている時代順に並べると、「歴博甲本」、「東博模本」、「上杉本」、「歴博乙本」である。それに永正3年(1506)の三条西実隆日記に登場する、越前の戦国大名朝倉氏が発注して、土佐光信が描いた洛中洛外図。これは現存しないが、この朝倉本の内容も視野に入れながら考察が進められている。著者の視点は、それぞれの屏風がどのような政治的な主題を背景に生み出されたのかという点に注がれている。京都文化博物館の図録には、同じ著者による「それは誰が見たかった京都か−構図に見る洛中洛外図屏風の系譜関係−」が掲載されており、本書の内容がコンパクトに再整理されているが、それを活用すると、以下のようにまとめられる。

歴博甲本−細川高国が見たかった京都−狩野元信
東博模本−阿波細川氏が見たかった京都
上杉本−足利義輝が見たかった京都−狩野永徳
歴博乙本−京都が見たい人が見たかった京都−狩野松栄、宗秀

そして、江戸時代に入ると、左隻の中心を二条城にする、徳川の時代にふさわしい新たな定型が生まれるが、こうした政治的な主題は、二条城への後水尾天皇行幸寛永3年)を最後に次第に比重が下がり、町並みの描写も形骸化が進み、名所図としての比重が増していく。洛中洛外図の多くが、形骸化が進む江戸以降のものといえるだろう。著者は洛中洛外図の系譜(関係性)を重視して読み込んできた研究者だけに、入門書としては最適といえる。

また、洛中洛外図に限らず、都市図について考察した次の文章は鋭いと思った。忘れないようにメモ。

洛中洛外図屏風が初めて世に現れた十六世紀初頭から、江戸図屏風が描かれた十七世紀前半までの間は、まさに日本における都市建設の時代だった。今日に残る都市の多くがこの時代に起源を持ち、ないしは京都のように現代に続く形に改造されたことを考えれば、そのことは容易に理解されよう。都市が近世に向かって新たな発達を遂げ、あるいは城下町などとして新たに建設されていった時代、人々の目は新たな都市の姿に集まり、またそれらの都市を支配する権力者たちは、そのことを誇り、描かせようとした。これが、洛中洛外図屏風以下、江戸図屏風に至る一連の都市図屏風、特に「権力者とその都市」の屏風が描かれた理由であり、それはそのような歴史的背景を反映して作られた屏風であった。

都市図屏風の出発である洛中洛外図の登場が16世紀初頭。その後、徳川政権ができると、「江戸図屏風」が描かれるが、その登場が17世紀前半。そして、各地の城下町でも、城下図屏風が制作されていく。古いものだと「江戸図屏風」とほぼ同時期の高松城下図屏風があるが、延岡城下図屏風が寛文〜天和頃、宇和島城下図屏風が元禄頃、最近発見された松山城下図屏風も元禄頃の成立と考えられている。藩主が制作させた城下図屏風の多くが、17世紀後半から18世紀初頭に集中していることになる。その時期は、洛中洛外図、江戸図屏風を経て、都市図屏風の裾野が地方へと広がった時期であり、現在の地方都市の原型ともいえる近世都市が成熟した時期ともいえるのだろう。

行き当たりばったり

今日から連休に突入。昨日の晩は飲み会だったので、朝起きるのが少し遅くなる。あわてて西予市宇和に向けて出発。これは遊びではなく、極めて実務的な内容のため。それを済ませると、午後からの時間がぽっかりあく。

どこに行くか、家人とさんざん話して、行ったのは大洲の富士山公園。これは「ふじさん」ではなく、「とみすやま」。公園内には6万3千本のつつじがあり、今が花盛り。車で上っていく途中、関所があり500円とられる。知らなかったなあ。

見晴らしのいい展望台で、宇和のかつて行きつけだったパン屋さんで買って来たサンドウィッチをほおばる。ずっと舌になじんでいた味なので、なんだかうれしい。風もよく吹きぬける。

つつじもピークで、みんな写真を撮っている。でも、午前があまりに実務的内容だったので、遊びに行く感覚がなくて、カメラをもってきてない。しょうがなしに家人の携帯で一枚だけ撮影。

それから、大洲市立病院の裏の川沿いにひっそりとあるカフェ「Ridi」で休憩。フルーツたっぷりのミルクレープを二人で分けるが、その使っているクリームがおいしくて、おいしくて。店内は女性客ばかり。みなさんさすがにおいしいもの、よく知ってるんですね。男性一人ではとても入る勇気ないので、いい体験でした。

http://tabelog.com/ehime/A3803/A380301/38009333/