伊豫乃松山

創刊号 道後今昔記2

■ 名物の変遷ですか、昔はお土産品としては湯ざらし艾ばかりで名物はアンコロ餅と甘酒位であつた、アンコロ餅は後に湯晒し団子となり近頃は坊ちやん団子が出来ました、甘酒等は今では無く成りましたね、其後道後煎餅といふ安煎餅が出来ましたが此れも無く成…

創刊号 道後今昔記1

花曇りの日曜の午前道後からだらだら坂を小登りに行き着いた祝谷に静かに余生を楽しむ町の故老三浦哲也氏を尋ねて木の香新しい南うけの暖い部屋で動き初めた春色を眺めながら道後の思い出を聞く。 ■ 旧松山藩が道後に為した保護政策といふ様なものは有りませ…

創刊号 松山新名物記3

◆湯晒し艾 道後温泉の名物お土産品である、「よしえやしえやは伊吹のさしもぐさ」で知られた艾の歌のお土産といふのは全国で其の類がない、由来四国は艾を用ひて灸点の流行する土地で其の起原はお大師様の教へだと云ふ、道後で生れた一向宗の開祖一遍上人が…

余聞 タルトの由来

昭和5年発行『伊豫乃松山』創刊号の松山新名物記には、松山銘菓のタルトが記されていません。その時代、タルトがつくられていなかったわけではないのは前回記したとおりです。では、タルトの歴史はどのようにまとめられるのか。調べてみてもこの問題には簡…

創刊号 松山新名物記2

◆薄墨羊羹 名物にうまい物無しとは云へ薄墨羊羹は確かに美味い、薄墨羊羹は伊予節に有る薄墨桜の名花に因むで創製したものであるが本舗中野は京都風の商品見せずの看板だけの商ひで一日優に四五十円の売上げといふから大したものである。 ◆カステーラ カステ…

創刊号 松山新名物記1

古い名物は伊予節で紹介されてゐるが新興の松山名物は未だ多く知られてゐない憾がある、新名物記を書く所以であり名物にうまい物在るを知らせ度いのである。◆美術竹細工 文人籠と云へば今では京都を始め別府、有馬、静岡、新潟、松山と全国でも数ケ處指を折…

創刊に際して

創刊に際して 松山市長 御手洗忠孝 未知の土地に旅行した時只一通りの一遍の案内記等を読むで引き廻される心持ちは恰度唐黍の殻でも囓じる如に徒らに気ばかりガザガザして泌々した味ひは無い、心身共に忙しい近代人の生活の半面には偶に旅行でもしてノンビリ…

創刊号目次

創刊に際して 松山市長 御手洗忠孝 松山市を中心としたる伊豫の文化 伊豫史談会 景浦直孝 伊豫の俗謡 西園寺富水 瀬戸内海 高濱虚子 花を巡る 艸迷生 松山新名物記 松山の産んだ古俳星栗田樗堂を偲びて 菅鷲峰 道後今昔記 松山旅行案内 松山旅行会長 田中七…

ブログをさぼっていた間は、まじめに働いていました。関西方面と東京方面に出張もあり、いろいろなものを見て、いろいろな本も買いましたが、それを書く心の余裕がありませんでした。出張中の写真より、龍野駅前の1枚だけ紹介。 現在は交流広場になっている…