松山札所まわり

遍路のことを調べている来客があり、自動車で一緒に札所をまわる。よく考えると、松山の札所は石手寺ぐらいしか行ったことがなかった。午前
中に52番太山寺、53番円明寺に行き、午後からはリクエストに応えるため、松山を離れて久万高原町の44番大宝寺、45番岩屋寺に案内する。

一番印象に残ったのはやはり岩屋寺だが、太山寺で参道のかつては遍路宿だった休憩所でいろいろと話しが聞けたのも良かった。明治30年太山寺の境内図がそこに飾ってあって、お願いして写真を撮らせていただいた。


帰って来て、江戸後期の太山寺を描いた「四国遍路名所図会」などと比べてみても大きな変化がなく、太山寺が江戸時代の札所の雰囲気をよく残していることがわかる。


こちらが参道の遍路屋が並んでいる場所。明治30年の境内図では茶屋と記されているが、実際には宿帳なども残っているそうで、休憩所というよりは遍路を泊める遍路屋であったことがわかる。明治30年では瓦葺きで、江戸後期では茅葺きであるが、全く同じ位置に描かれており、江戸時代に遡ることは確かである。