下村為山展

松山に引っ越してから、いろいろな展覧会には足を運びやすくなった。道後には2週間に1回程度、鍼治療に出かけているので、なかでも子規記念博物館に立ち寄る機会が増えてきた。見るのはあくまでも企画展。子規博の企画展示室は小さいので、物足りないという人もいるかもしれないが、その室内の掛け軸などをゆっくりと眺める時間が心地よいものに感じられる。

先日は、現在開催中の特別展「下村為山−子規派の画人−」を観覧した。先客は年輩の女性客が数人。熱心にご覧になっている。キャプションの文字に誤りがあったようで、そのうちの一人が職員に指摘していたが、「でもとってもいい展示でしたよ」とか話されていて、とてもスマート。

展示は下村為山の生誕150年を記念したもので、俳句の趣向を画で表現した俳画がずらりと並んでいる。それ以外に、為山は子規派の俳誌「ホトトギス」の挿絵を多く描いていたそうで、あわせて展示されている。挿絵には、松山のロシア人捕虜収容所を描いたものや、松山市街を見開きで鳥瞰して描き、当時あった主要な施設を示したものなど、松山関係のものもある。これは知らなかったなあ。歴史資料としても使えそう。関東大震災の様子を描いて伝えようとした絵入りの書簡も貴重。これからも展示がかわったら、覗きに行こうと思った次第。