江戸時代の肉食
一の重です。
今日から九州に帰省します。
ところで、
幕末単身赴任 下級武士の食日記
第三章あたりまで読み進みました。
第二章あたりから、
いよいよ和歌山藩の下級武士酒井伴四郎が
江戸で食べたいろいろな料理が出てきます。
そのなかで気になったものは、
風邪をひいた酒井伴四郎がそば屋さんで
たこ、なが芋、れんこんの甘煮を肴に
薬代わりと称して酒を飲み、
その上明日も薬代わりに酒を飲もうと、
生の豚肉を銭百文で買ったという記述。
甘煮ってお酒に合ってうまそう、
ということはさておき、
肉食がタブー視されていた江戸時代、
薬と称して肉が食べられていたということ。
肉を売る店を「ももんじ屋」といい、
店頭には「山鯨」の看板が出ていたそうです。
ちなみに、
伴四郎はその翌日豚で酒を3合も飲んでいるそうです。
■
肉食の場面は、
わたしたちが研究している
宇和島藩士の三浦家文書のなかにも登場します。
これまで何度か紹介した三浦義信が妻久美にあてた手紙のなかにでてきます。
寒いのには困りますが、一日もお断りすることなく、
毎日出勤しています。
鶏の肉、猪の肉、ドジョウを毎日のように食べています。
(天保7年12月5日付書簡)
鶏の肉や猪の肉や、カモシカの肉などいろいろ食べていますが、
毎回のようには効果がありません。
(天保7年12月25日付書簡)
鶏や猪はまだしも、天然記念物のカモシカの肉って、
今じゃとても食べられない貴重品に思えます。
どんな味がしたんでしょうか。
風邪や寒さ対策を口実に、
江戸時代の人々が思っていた以上に肉食を行っていたことが
いろいろな資料から見えてきます。