「医は意なり」、「京を描く」

昨年、仕事の内容ががらっと変わって、県外に出ることがめっきり減ってしまった。気持ちも後ろ向きの一年だったが、2年目は無理してでも遊んでやろうと、休みをとって京都へ。

異動で松山に来ていいのは、今の家が空港に近いこと。家人に空港に送ってもらって、朝第一便で伊丹へ飛ぶ。思っていたよりも早い時間に京都入り。京都で友人と落ち合い、展覧会めぐり。

最初は、京都大学総合博物館の「医は意なり−命をまもる知のあゆみ−」に行く。日本医学会との共催の展示になっているが、日本医学会が金持ちなのか、ゴージャスな内容。入口付近に江戸時代の医学者の肖像写真が並ぶが、結構その名前が答えられる自分ってちょっとオタク?蘭学系の医者はほとんどわかったが、曲直瀬道三はわからなかった。江戸時代の医学史の展示を期待していたものの、かなり近代以降も展示されている。人工呼吸器の「鉄の肺」の圧倒的な存在感。安産の神様として知られる京都府福知山市の大原神社。その宮司が集めた産育に関わる歴史史料の展示も良かった。神社には産婦が出産時にこもったという府指定有形民俗文化財の産屋もあり、そのような経緯もあり宮司が史料を集めてきたという。

次に今回の旅の目的、京都文化博物館の「京を描く−洛中洛外図の時代−」を観覧。これだけまとまって洛中洛外図を見るのは初めて。室町時代の初期の洛中洛外図だけでも複製を交えながらかなり揃っているが、類型化が進む江戸期、そしてそこから一歩踏み出して、迫真性を増した都市景観の表現が江戸後期に登場。時代を長く捉えて、史料を集めて展示したことで、いろいろなことが見えてくる。ほんとに長い歴史をもつ京都だからこそできる展覧会で、2時間半ほど食い入るように見て回る。ずっしり重く、持ち運ぶのが厄介な図録も迷わず購入。

駅前に移り、友人と会食。京都の肴と地酒を楽しむ。これからやってみたいことなど、くどくど話してしまう。京都に宿が取れなかったため、遅い電車で新大阪のホテルに移動。宿につくなり、ベットに倒れ込む。