別れの1冊

バスに乗り松山へ。
松山のバス停で降りて歩き出したとたんに、
目の前を歩いていた人が突然吐き始める。
ブルーな気分を引きずったまま、紀伊国屋書店へ。
そこでも閉店のブルーな掲示を眺める。
現在松山で数件の賃貸の紹介を受けており、
再進出もあり得ると書いていたが、
どうであろうか。
現段階で再進出先が決まっていないことに、
問題の深刻さを感じるのだが。
愛媛県美術館で開催中の
こどもとも絵本原画展の前売りを買い求めようとするが、
既に売り切れ。
それだけ人気があるということなのか、
閉店を見越して枚数を絞っていたのか。
丸三書店にまわり無事に入手。


今日のメインは図書館での調べもの。
次々に資料を出していただき、必要な資料のコピーと写真撮影。
途中、気分転換に抜け出して美術館の展覧会を見に行く。


昭和31年の創刊以来、
常に日本の絵本界をリードし続けてきた
福音館書店の月刊絵本誌「こどものとも」。
初期から最新作までの16作品、約270点が展示。
印刷された絵本とは違う
原画ならではの作者の思いが伝わってくるような展覧会。
ところで、最近知ったことだが、
昭和2年創刊の幼児雑誌「キンダーブック」を始めたのは松山出身の高市次郎。
長い歴史がある「キンダーブック」にもいろいろな画家が関わっていた。
調べていたら
横山隆一の「キンダーブック」連載作品を中心に
愛らしい動物たちが主人公の『そらとぶこうま』『ころころくん』他の
貴重な原画を展示するほか、
横山隆一やなせたかしとの関わりや「キンダーブック」の歩みもあわせて紹介する
展覧会がアンパンマンミュージアムで開催中。
こちらも見にいきたいが、ちょっと遠い。


図書館に戻り、残りの調べものを終えて、
以下の5冊を借り出す。
小沼丹 清水町先生

清水町先生―井伏鱒二氏のこと

清水町先生―井伏鱒二氏のこと

中野三敏 和本の海へ
和本の海へ 豊饒の江戸文化 (角川選書)

和本の海へ 豊饒の江戸文化 (角川選書)

旅の文化研究所 絵図に見る伊勢参り
絵図に見る伊勢参り

絵図に見る伊勢参り

風戸始 子規漱石写真ものがたり
坪内稔典 子規山脈


雨が降り始めるなか、再び紀伊国屋書店へ寄る。

お別れに何かをと思い、
各階を見て回り、この1冊にする。
岩佐東一郎 書痴半代記

書痴半代記 (ウェッジ文庫)

書痴半代記 (ウェッジ文庫)

考えてみると、
最近文庫か新書しか買っていなかったような。
こちらの財布の紐が締まったことも、
閉店の原因か。


さらに、いつもの古書店へ流れるもシャッターが…
以前予言したかのように、
結局たまりにたまった無料券使うことがなかったぜ。
ちなみに、いつも行っていた古書店とはこちら。
http://blogs.dion.ne.jp/tokusan/archives/7257282.html
私には沖田艦長というよりは
徳川機関長のような店長に見えた。
無料券みると、
住所として松山市久米町に久米店があることに気づく。
この無料券使えるのかしら。
それにしても、
行きつけの書店と古書店松山市街から相次いで撤退。
これから松山でどう時間をつぶすのやら。