遠山の金さんの刺青

幕末の毒舌家こと、貧乏旗本の大谷木醇堂。
彼の情報収集はすごかったらしく、
ホント、ウソは問わずたくさんの情報をもっていたよう。
野口武彦氏の本には、
醇堂は時代劇で有名な江戸南町奉行遠山左衛門尉こと、
遠山の金さんについても記しています。


遠山左衛門尉と守山主計頭は刺青を入れているという。
いずれも壮年の頃に、身分の低いものと突き合っていたからであろう。
しかし、この両人、江戸城で肌を出すことはなかった。
入浴の時も妾一人の他は浴場にはいることを許さなかったことからしても、
怪しいと言わなければならない。


時代劇の金さんは桜吹雪の刺青で知られていますが、
醇堂の情報で確かに金さんが刺青をしていたことが確認できます。
では金さんの刺青、実際どんな絵柄だったのかについては、
旧幕の遺臣中根香亭が『帰雲子伝』に書いているとのこと。
それによると、
金さんの刺青の絵柄は、
なんと胴から切断された女の首が髪を乱し、
口に手紙をくわえているというもの。
桜吹雪どころじゃなかったみたいです。