家を焼く1
- 作者: 川本三郎
- 出版社/メーカー: 平凡社
- 発売日: 2005/10/01
- メディア: 単行本
- クリック: 6回
- この商品を含むブログ (20件) を見る
といっても、とても分厚い本なので、
毎日一章ずつですが…
その中の山本周五郎原作「冷飯とおさんとちゃん」
という映画の紹介に次のような文章がありました。
周五郎はかつていったことがある。
関ヶ原の合戦や大坂城の合戦で、
武将たちがどんな戦いをしたか。
自分は、そのことより、その日、
大坂の商家で働く丁稚が
どんな哀しい思いをしたかのほうに関心がある、と。
歴史を勉強している者として、
周五郎先生の考えに全く同感なので、引用いたしました。
でも昔の庶民がどのようなことを思い、感じていたか、
口では簡単に言えますが、
それを実際に歴史学として追求していくことは難しい。
周五郎先生はそれを小説世界のなかで、
きっと実現されていたんだと思いますが、
(すみません、読んでみたいと思いつつ、読んだことがありません)
では自分としてはどうなのか、簡単に答えは見つかりません。
ただ、私たちが研究している宇和島藩士の三浦家文書には、
参勤交代で江戸と宇和島に離ればなれになった
家族が交わした書簡がかなりあります。
それを丹念に読み込んでいくことで、
少しは江戸武士や家族の感じたこと、
思ったことに迫れるのではないかと奮闘中です。