家を焼く1

一の重です。
最近は川本三郎さんの
時代劇ここにあり

時代劇ここにあり

時代劇ここにあり

を読んでいます。
といっても、とても分厚い本なので、
毎日一章ずつですが…
その中の山本周五郎原作「冷飯とおさんとちゃん」
という映画の紹介に次のような文章がありました。


周五郎はかつていったことがある。
関ヶ原の合戦大坂城の合戦で、
武将たちがどんな戦いをしたか。
自分は、そのことより、その日、
大坂の商家で働く丁稚が
どんな哀しい思いをしたかのほうに関心がある、と。


歴史を勉強している者として、
周五郎先生の考えに全く同感なので、引用いたしました。
でも昔の庶民がどのようなことを思い、感じていたか、
口では簡単に言えますが、
それを実際に歴史学として追求していくことは難しい。
周五郎先生はそれを小説世界のなかで、
きっと実現されていたんだと思いますが、
(すみません、読んでみたいと思いつつ、読んだことがありません)
では自分としてはどうなのか、簡単に答えは見つかりません。
ただ、私たちが研究している宇和島藩士の三浦家文書には、
参勤交代で江戸と宇和島に離ればなれになった
家族が交わした書簡がかなりあります。
それを丹念に読み込んでいくことで、
少しは江戸武士や家族の感じたこと、
思ったことに迫れるのではないかと奮闘中です。