江戸時代の肉食2

一の重です。
昨日、八幡浜から別府に船で渡り、
北九州の実家に入りました。
正月は北九州で過ごします。


昨日は江戸時代の肉食について記しましたが、
そのことについて記している本がもう一冊でてきました。
山本博文氏の
江戸を楽しむ―三田村鳶魚の世界

江戸を楽しむ―三田村鳶魚の世界 (中公文庫)

江戸を楽しむ―三田村鳶魚の世界 (中公文庫)

という本の「江戸の食生活史」に
肉食のことが記されていました。


そこでは、江戸考古学の成果として、
新宿区三栄町遺跡で、
いのしし、しか、きつね、かわうその骨が大量に出土している
ことがまず紹介されています。
これは食用にされたものだそうです。
昨日は天然記念物カモシカが出てきましたが、
今度は日本で絶滅が危惧されているかわうそです。
江戸時代の人が実にいろんな肉を食べていたことが分かります。


次に、寺門静軒の『江戸繁昌記』のなかに、
「山鯨のこと」として
肉食のことが記されていることが紹介されています。


肉はねぎがよく調和する。
一人の客にひとつのなべを用意して、
火鉢を連ねて配置してある。
上戸は酒を飲み、下戸はそれでご飯を食べる。
なべの値段は小が50文、中が100文、大が200文。
近年は肉の値段があがり、うなぎと匹敵する。
獣の種類は、
いのしし、しか、きつね、かわうそ、おおかみ、くま、かもしか
などがあって、店頭に積み重なっていた。


『江戸繁昌記』は、
このように江戸にあった
肉食の専門店について細かな描写がなされています。
ただし、肉はそう高価ではなく、
どちらかといえば下層の素行の良くない者の食事と想定できるそうです。
それでは、山本氏は上層の武士の肉食をどのように記しているのか。
それは、また次回書いてみたいと思います。