数の子は高級食材、それとも…
一の重です。
今日はクリスマスイブ。
子供にとってはうれしい日なのでしょうが、
私のように既に枯れつつある大人にとっては、
なんていうこともないのですが…
私の家では朝日新聞をとっていますが、
土曜日には私が楽しみにしている二つの連載が掲載されています。
いずれも「be on Satueday」のエンターテインメントの連載です。
一つは茨城大学助教授の磯田道史さんの「昔も今も」で、
江戸時代のことが現代のいろいろな問題に引きつけて、
分かりやすく紹介されています。
磯田さんは
武士の家計簿 ―「加賀藩御算用者」の幕末維新
- 作者: 磯田道史
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大変めずらしい武士の家計簿を使って、
経済的に厳しかった江戸時代の武士の暮らしをまざまざと見せてくれます。
磯田さんはこの朝日新聞の連載のなかで、
わたしたちが研究している
宇和島藩士三浦家のことも何度か紹介してくださいました。
今回は150石取りの広島藩士の村上彦右衛門が書いた日記
「村上家乗 慶応二年」を用いて、
御用納めも終わった年末に残業で出勤した彦右衛門が
歯痛から発熱してさんざんの大みそかになってしまう様子が紹介されています。
短いコラムなので、この文字数にまとめるのは、
さぞかし大変だと思いますが、毎回楽しく読んでいます。
もう一つは「サザエさんをさがして」
- 作者: 朝日新聞be編集部
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忘れられつつある昭和の暮らしを読み解こうという趣向で、
こちらも毎回面白いテーマが取り上げられています。
今日のテーマは数の子。
ちょうど昨日、
水漬けの数の子は一年中売られ、値段も安かったため
江戸勤番武士のおかずに最上とされていたことを記しましたが、
その数の子がサザエさんの時代ではどうだったのかが
今回の記事を読むとよく分かります。
数の子は昭和30年頃からニシンがあまり獲れなくなったことで、
あっという間に「黄色いダイヤ」と呼ばれる高級食材になったとのこと。
サザエさんでも、
子供がサンタへの手紙に数の子と記し波平をあわてさせたり、
デパートの食品売場で「かずこ」と妻を呼ぶ夫の声が「かずのこ」
とサザエには聞こえてしまったりと、
高級食材となった数の子が漫画の素材として使われているそうです。
しかし、数の子は現在では下ごしらえの手間から
再び地位を低下させ、敬遠されているとのこと。
一つの食材が時代によっていかに浮き沈みしているのか、
そのことがよく分かります。
なお、「サザエさんをさがして」の連載開始時から50本分は、
最近単行本になりました。
朝日新聞をとっていなかった人でも読めるようになりましたので、
ご紹介しておきます。