近世の行列

今日は西条市に出かける。ある集まりで話して欲しいという依頼。そこでのテーマは西条藩主が御国入りする際の船行列について。御国入りって?と思われるかもしれないが、西条藩松平家は御三家の紀州徳川家の分家で江戸定府。参勤交代を免除されていたため、藩主は江戸時代を通じて9回くらいしかお国入りしていないのである。

その前に少し早く着いてしまったため、西条市総合文化会館に立ち寄る。目的はこれを購入するため。

福原敏男『西条祭礼絵巻−近世伊予の祭礼風流−』。2012年10月19日に刊行されたばかり。西条の祭礼についての絵巻はこれまで地元の伊曾野神社に伝わる「伊曾乃大社祭礼略図」しか知られていなかったが、12年ほど前に福原氏は東京国立博物館にやはり西条祭礼を描いた「伊曾乃祭礼細見図」を発見。この本には2本の祭礼絵巻が大きな図版でたっぷりと掲載されているのだからたまらない。それ以外にも福原氏が個人で所蔵されている「宇和津彦神社祭礼絵巻」と「吉田祭礼絵巻」といった宇和島と吉田の祭礼に関わる絵巻も追加掲載されている。絵巻には細かい解説が付けられ、巻末には福原氏の論考「近世伊予の祭礼風流−伊曾乃祭礼を中心に−」が収められている。いたれりつくせりの史料性のある本(図録)である。

千葉県佐倉市では少し前に書いたように、現在「行列にみる近世−武士と異国と祭礼と−」が開催中だが、最近、近世の行列がマイブーム?