川之江、新居浜小旅行

久しぶりにお休み。
最近仕事以外に外出しないので、川之江新居浜へと小旅行を決行。
JR四国のホームページ見ると、
1万円で1日特急自由席に乗れる
週末乗り放題きっぷというのがあるのでこれを購入。
電車内では野口武彦 幕末の毒舌家 を読み進めます。
本の面白さもあってはかどります。


川之江で友人と合流、友人のリクエストだった
かわのえ高原ふるさと館で開催中の「画人続木君樵と三好藍石」展を観覧。
続木君樵も三好藍石も名前を知らない人も多いかもしれませんが、
いずれも現在四国中央市となっている宇摩地方出身の文人画家。
お互いに天保年間に生まれていますが、
続木は諸国行脚するなど旅に生きたの対して、
藍石は村会議員、県会議員など地域の中に生きます。
そんな対照的な二人ではありますが、
二人の間には同郷ということもあり、親しく交流したようです。
展示は23点ほどですが、なかなか見応えがありました。
中には松鶴図など、いかにもお正月のおめでた用に描かされた
あまり画家の力量が発揮されにくい作品もありますが、
展示の中では藍石のシカゴ万博出品作とされる「寒霞渓秋景図」、
徳島県三好市祖谷渓とかずら橋を描いた「祖谷蔓橋真景図」が目をひきました。
文人画なので、写実的な風景ではありませんが、
藍石が理想とする世界が、
二つの景色として見事に描き込まれているように感じられました。


かわのえ高原ふるさと館を出て、
川之江駅前の大平食堂で昼食。
雨に降られ寒いので、ちゃんぽんで暖まります。
この大平食堂は確か駅弁もやっていて、
おいなりの弁当で有名なはず。
典型的な田舎駅前の大衆食堂で、どれを頼んでもおいしそうです。


そして、その後は私のリクエストで、
新居浜市郷土美術館で開催されていた「昭和レトロ」展を観覧。
こちらは昭和30〜40年代を中心に、
新居浜市内で撮影された写真や映像、それにブリキのおもちゃなどを集めたもの。
なかでもアマチュアカメラマンの日和佐初太郎さんが撮影した昭和通りの写真がすばらしい。
一軒一軒の商店の様子が、当時の熱気とともに写真におさめられています。
それから新居浜は平坦なので、
昔は工場で通う人がたくさん自転車で通っていたんですね。
道いっぱいに自転車が写り込んだ写真は、
現在の中国の写真といわれても分からないかもしれません。
そういえば、
新居浜駅前を通ったら今でも自転車預かり所が営業しているようでした。


もう一人のカメラマン、
住友化学に勤めた酒井定雄さんが撮った当時の子どもの写真も微笑ましい。
ちゃんばらごっとする子ども、紙芝居を必死に見つめる子ども。
この頃、こんなに地元を撮影したカメラマンがいたなんて、
文化レベルがとても高かったことがうかがえます。
新居浜市が市政25周年を記念してつくった昭和37年の映像も放映されていましたが、
前途洋々の自信みなぎる新居浜市という印象でした。
それから45年余り過ぎて、
たくさんの自転車が行き交った昭和通りは今どうなっているのか、
少し訪ねてみたくなりました。