平戸散策、そして台風が…

家族旅行の二日目。
今日は平戸市内をぶらぶら歩く。
町中の観光客用の駐車場に車をとめて、
まずは松浦史料博物館へ。
かなりレトロな雰囲気の博物館。
古そうな展示ケースの中には、
松浦家ゆかりの大名道具がこれでもかこれでもかと
惜しげもなく並べられている。
2001年に福岡市博物館
「平戸・松浦家名宝展」で大概の史料を見たはずだが、
きれいなケースに並んだ福岡市博の時よりも、
今回の方がしっくりとくるのはなぜ?
いいものばかりが並んでいるが、
やはり地味ながらも、おさめる木箱とともに、
松浦静山甲子夜話がずらっとあるケースの前では、
しばし足がとまる。
かなりの時間をかけて見学した。
松浦史料博物館ミュージアムショップでしばし買い物。
福岡市博では買わなかった
「平戸・松浦家名宝展」の展示図録を今度は購入。
ずらっと並ぶ長崎新聞新書の中から御当地ものの
萩原博文 平戸オランダ商館 を購入。
それにしてもこの新書のラインアップ、
とても充実していて、どれも面白そう。
愛媛新聞もこれぐらいがんばればいいのにと思うものの、
文化度の差か?
あと気に入った絵葉書を数枚も購入。
ミュージアムショップには眺めのいい喫茶店が付属していて、
ゆったりとコーヒーをいただく。
コーヒーもおいしいし、お勧めの場所。


それから町を散策。
お土産を買いに平戸の菓子の老舗つたや総本家へ。
カスドースが一番の名物のようだが、とっても甘そう。
カステラの生地に桂皮末を入れて花の形に焼き上げ、
中に小豆こしあんがはいった花かすていらを職場のお土産にチョイス。
ちなみに、カスドースも花かすていらも、
松浦家に伝わる『百菓乃図』に描かれている菓子。
『百菓乃図』は松浦史料博物館で展示されているのを見たが、
百種類の菓子が極彩色で丁寧に描かれた資料。
天保12(1841)年より一年半をかけて、
松浦家が蔦屋や堺屋に一品ずつ試作させては改善を繰り返して百種を定め、
さらに一年半をかけて図本に仕立てたという。
つたや総本家は、この『百菓乃図』も紹介された
『江戸時代の平戸の菓子』という図録も販売されており、当然購入。
内容がしっかりしていると思ったら、
著者が食文化史の江後迪子で、編集が『FUKUOKA STYLE』編集部。
『FUKUOKA STYLE』は好きだった雑誌で、実家に帰るたびに書い足し、
本棚にも数冊ささっているはず。
こんな図録が出てるなんて、知らなかった。


それから聖フランシスコ・ザビエル記念聖堂、
寺院と教会が見える風景をまわり、平戸城に登る。
お昼は商店街にでて、昔ながら大衆食堂へ。
座ろうとすると、ネコが寝ていてびっくり。
聞くと飼っているわけでもないのに、
勝手に住みついてしまったとのこと。
すごくおおらかな土地柄。
せっかくなので、名物のアゴだしラーメンを食べる。
アゴ(トビウオ)をつかっただしがあっさりして、
なかなかうまい。
この頃から、台風の風が急に強まり、
風速15mで平戸大橋が通行止めになるとのアナウンスが入る。
平戸に閉じこめられたら、しゃれにもならないので、
あわてて平戸を脱出。
運転するうち、風がどんどん強まっていく。
長崎自動車道では車がおしりをふって、その度に悲鳴があがる。
随分時間はかかったが、なんとか帰宅。