現在東京国立近代美術館で、
「生誕120年 藤田嗣治」が開催されていますが、
確かどなたかのブログに長蛇の列ができているとあったような…
ゴールデンウィークにはどんな状況になっているのでしょうか。
地方に住む身としては
見に行けるわけもなく、
せいぜい日曜美術館ぐらい見て、
こんな感じの展示かなと想像するぐらいしかありません。


ところで、この藤田嗣治展。
展示会場の中にある映像が流れています。
それが藤田が撮った「風俗日本 子供篇」です。
東京国立近代美術館の解説によると、
これは外務省が日本の文化を海外に紹介しようと企画したシリーズの一本。
1937年に制作されたもので、
なかにチャンバラごっこ切腹のまねをして遊ぶ子どもたちの姿があり、
それが日本文化を誤解させるとして公開されなかった
まぼろしの映画ということになるようです。


この映画、面白いことに愛媛県の松山で撮影されています。
そのため藤田の映画について
地元の愛媛新聞(4月22日付)でも紹介されています。
それによると、
この映画は35ミリ白黒トーキーで8分27秒の短編。
字幕はついていないということです。
ストーリーは、着物姿の姉と、
帽子にげた履きの弟の行動を追う構成で、
バリカンでの散髪や紙芝居、
獅子舞、松山城での子どもたちのチャンバラ
などが収録されているそうです。
愛媛新聞では映画が公開されなかった理由として、
「貧しくて国辱的」と批判されたとあり、
東京国立近代美術館の解説と微妙に異なっています。
印象としては愛媛新聞の理由は、
制作直後に公開されなかった理由、
東京国立近代美術館の理由は、
戦後になっても公開されなかった理由とも思われますが、
どうなのでしょうか。


この藤田の映画だけでも見てみたい気がしますが、
東京ははるかに遠い。
この展示この後京都国立近代美術館でも、
5月30日〜7月23日の会期で開催されていますが、
こちらもきっと無理でしょうね。